ソフトロック(60s)

シティポップの源流をたどる。60年代ソフトロックが残した優雅なコーラス

2026年9月2日 執筆:City Music Trace. 読了時間 1分
City Music Trace.

シティポップの洗練されたサウンドの背景には、1960年代アメリカで生まれた「ソフトロック」の存在があります。美しいコーラスワークと、聴きやすくも凝ったアレンジ。この記事では、シティポップのルーツの一つとも言える60年代ソフトロックの魅力を、代表的なグループとともに紹介します。

ソフトロックとは何か

ソフトロックとは、1960年代半ばから後半にかけてアメリカで生まれた、美しいメロディと多重コーラスを特徴とする柔らかなロック(ポップス)のことです。ザ・ビーチ・ボーイズの『Pet Sounds』が、このサウンドのルーツの一つとしてよく挙げられます。

なお「ソフトロック」という呼び方や解釈は国や時代によって異なり、海外では70年代半ば以降のメロウなロック全般を指すこともあります。この記事では、日本でよく言われる「60年代のコーラス主体のポップス」という意味でのソフトロックを取り上げます。

ジャンルとしての人気自体は1970年代初頭には落ち着き、80年代には一時「忘れられたジャンル」とも言われましたが、後年にレコードコレクターや音楽ファンの間で再評価が進みました。

ソフトロックを代表するグループ

The Association(ジ・アソシエーション)

ロサンゼルス出身のThe Associationは、6人前後のメンバーによる緻密な多声ハーモニーを武器にしたグループです。1966年のヒット曲は、ソフトロックというジャンルの出発点として語られることが多い1曲です。フォークとポップの要素を土台に、声を幾重にも重ねるコーラスワークが最大の魅力です。

The Mamas & the Papas(ママス&パパス)

「夢のカリフォルニア」などのヒットで知られる男女混合グループ。ロサンゼルスのスタジオミュージシャンに支えられた洗練されたサウンドと、フォーク・ロックならではの伸びやかなハーモニーが特徴です。1998年にはロックの殿堂入りも果たしています。

The 5th Dimension(フィフス・ディメンション)

男女混合の黒人コーラスグループとして1966年にデビュー。ポップ・R&B・ソウルを融合させた洗練されたサウンドと、空へ広がっていくような美しいハーモニーが持ち味です。1969年発表の楽曲でグラミー賞を獲得するなど、当時を代表するヒットメーカーの一組でした。

シティポップとのつながり

シティポップを作った日本のミュージシャンたちは、こうした60年代アメリカのポップスから多くの影響を受けています。緻密なコーラスワーク、洗練されたアレンジ、聴きやすさと音楽的な深みを両立させる姿勢は、シティポップにも通じる部分です。

もちろんシティポップの直接のルーツとしては、70年代後半以降のAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)やソウル、ファンクの影響がより大きいとされていますが、その源流をさらに遡ると、60年代ソフトロックが築いた「美しいコーラスと洗練されたポップス」という土壌に行き着きます。

シティポップそのものについて詳しく知りたい方は、まずシティポップとは?歴史・特徴・代表アーティストをわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

まとめ

60年代ソフトロックは、The AssociationやThe Mamas & the Papas、The 5th Dimensionといったグループが築いた、コーラスワークと洗練されたアレンジを特徴とする音楽です。シティポップの直接のルーツではないものの、その美意識の源流の一つとして、あわせて聴いてみる価値のあるジャンルです。

よくある質問

Q. ソフトロックとシティポップは同じジャンルですか?
A. 異なるジャンルです。ソフトロックは1960年代アメリカで生まれ、シティポップは1970年代後半〜1980年代の日本で生まれました。ただし、洗練されたコーラスワークやアレンジという点で美意識のつながりが見られます。

Q. ソフトロックの代表的なグループは?
A. The Association、The Mamas & the Papas、The 5th Dimensionなどが代表的なグループとして挙げられます。

Q. ソフトロックはどこから聴き始めればいいですか?
A. まずはThe Associationの1966年のヒット曲など、ジャンルの出発点とされる楽曲から聴くと、サウンドの特徴をつかみやすいです。


※本記事の情報は執筆時点(2026年8月)のものです。